【記者出身コーチが解説】自己理念とは?人の心を動かす力

最終更新日:2022年7月27日

インターネットの記事で最近「自己理念」という言葉を目にするようになりました。なんとなくわかるけど、どんな意味なのかわからない方も多いと思います。

この記事では自己理念について、その第一人者の新聞記者出身のプロコーチがどこよりもわかりやすくお伝えします。「やりたいことを実現できない」「判断基準がなく、迷うことが多い」といったお悩みをもつ経営者、個人事業主、士業、起業家、独立志向の会社員の方に届けしたいと思います。3分ほどで読める内容ですので、目を通してみてください。

自己理念とはどのようなものか

自己理念とは、文字通り「自分の理念」のことです。ご自身の仕事や人生の根本となる考えを言語化したものであり、 納得できる生き方の方向性をあらわしたものと言えるでしょう。

より簡潔に言えば、企業理念の個人版という表現がわかりやすいかもしれません。企業理念が「企業の目的や存在意義」を示すものであるのと同じように、自己理念は「個人の仕事や人生の目的」を示したものと言うことができます。

なぜ理念をもつことが必要なのでしょうか。企業の場合、理念がなければ何をめざしているのかわかりません。目的がわからなくては、人も集まりません。やることが不明確では、前に進むこともできません。

企業理念の場合は、何をしているのかを対外的に表明するものでもあります。その表明が共感をうみ、人を集めます。理念とは共感で人を巻き込んでいく役割もあります。

これは企業だけでなく、個人も同じです。ご自身が納得する仕事をしていきたい方は、理念をもつことが欠かせません。なぜなら、理念こそ納得いく仕事の軸となり、共感のメッセージになるからです。自己理念とは、仕事を通じて自己実現していきたい方すべてに必要といえるでしょう。

自己理念の2つの意味

自己理念は大きく2つの意味があります。1つは自分の中のブレない軸です。日常的な判断をするにしても、仕事や人生の大きな決断をするにしても、ご自身がどのような判断基準をもっているかはとても大切な問題です。

自分の内なる判断基準があることで、自分が納得いく決断をすることができます。ブレない軸をもつということは、自分自身が一貫して納得できる仕事や人生を送るための明確な基準を得るということです。

2つ目の意味は共感される理念です。なぜ「共感される」ことが大切なのでしょうか。それはどんな仕事でも、誰かの力を借りることなしに実現することはできないからです。やりたいことを実現したいと思った時、人を巻き込んでいくことは欠かせません。自己完結できる自己実現はありません。

気をつけたいのは、どんなにご自身に想いがあっても、伝わらなければ残念ながらひとりごとと同じになってしまうことです。きちんと相手に伝わり、そして相手の心を動かすからこそ、あなたの言葉は実質的に意味をもつようになります。

なぜ自己理念がいま必要なの

なぜ今の時代に、自己理念が必要なのでしょうか。

大きな理由としては、仕事や人生の選択肢が急増しているからです。少子高齢化や労働力人口の減少といった国の構造的な問題を受けて、政府は2010年代後半から働き方改革を進めてきました。それによって、わたしたちの働き方は少しずつですが、確実に変化してきました。

例えば会社員でも副業が解禁されました。これによって会社の給料以外の収入を得られるようになった方も少なくないでしょう。また、終身雇用や年功序列といった日本式の労働環境にも変化が起きています。大企業でも個人事業主化を進め、多様で柔軟な働き方への移行を進めています。

この動きに拍車をかけたのは2020年からの新型コロナウイルスの流行です。密を避けるために、リモートワークが当たり前になりました。「職場に行かなくても仕事ができる」ということを、多くの人が実体験したのではないでしょうか。

こうした時代の動きを背景に、私たちの仕事やライフスタイルはかなり柔軟になってきています。

しかし、同時に課題も出てきています。選択肢が増えれば増えるほど、迷う人も増えているということです。

実際、選択肢が増えて自分がやりたい仕事を選んでいける時代になっているのにも関わらず、日本の会社員は国際的にみて仕事の熱意は圧倒的に低いという調査結果が出ています。メンタルに悩みを抱える方は増え続けており、国の調査によれば300万人の水準に達しています。

自分の選択基準をもつことは、日本で生まれ育った私たちが苦手としていることなのではないでしょうか。なぜなら、私たちは「皆一緒がいい」「あまり目立たない方がいい」といった横並びの教育を受けて「周りに合わせる」ことを美徳としてきたからです。

しかし、時代の流れは確実に「自分で選んで生きていく」方に動いています。選択肢にあふれた時代を自分が納得して生きていくために、自分で選ぶ基準=自己理念が欠かせないものになっているのです。

自己理念がないとどうなるか

自己理念がなければどうなるのでしょうか。これからの時代は、自己理念をもたないことによるデメリットはかなり多くなると予想されます。

デメリットの1つ目は、自分が納得する仕事や人生を選べないことです。選ぶ基準がないので、選択肢が増える分、余計に迷うことになってしまいます。結局はマスコミや会社、上司、政治家、行政など「なんとなく正しそう」といっている人の声に従うままになるでしょう。

しかし、残念ながら今の時代はどこにも正解はありません。私自身、マスコミの一員である新聞記者として12年働いてきましたが、マスコミ自体も世の中の答えは決して見えていません。自己理念がなければ、他者に振り回される人生を送らざるを得なくなります。

デメリットの2つ目は人から共感されず孤立することです。人に伝わらなければ、相手とつながることはできません。共感を生むことができなければ、結局やりたいことを実現することはできません。

このことは新聞記者経験で思い知ったことです。記者目線から記事に取り上げたくなる人とは「なぜこの仕事をしているのか」を自分の言葉で語れる人でした。自分の仕事について、自分の言葉で語れる人には共感が集まります。2000人以上を取材して、そうした人は決して多くないことも知りました。どんなに想いがあっても相手に伝わるように言語化できていなければ、残念ながら伝わらず、共感でつながることはできないでしょう。

「理念はきれいごと」という思い込み

「理念をもって何になるの」と懐疑的な人もいるかもしれません。「理念はきれいごと」という人もいるでしょう。理念はカッコいい言葉なだけで、もっても何も変わらないと思っている方も少なくないかもしれません。

しかし、こうした見方は表層的なものであり、誤っています。理念を持つことは、自己実現をするためには欠かすことができません。

なぜなら、理念がなければそもそも、何を実現していいかわからないのではないでしょうか。めざす山がわからなければ、どの方向へ歩いていけばいいかもわかりません。理念とはめざすゴールを示すものであり、歩いていく方向を示すコンパスなのです。

もうひとつの理由は、繰り返しになりますが、理念がなければ相手から共感されないためです。理念とは他者や社会に伝えたいメッセージでもあります。伝えたいメッセージがわからなければ、どうして相手から理解を得たり共感を生んだりすることができるのでしょうか。

たしかに「理念がきれいごと」と言う方にも同情します。なぜなら、そうした「きれいごとの理念」が多いからです。そうした理念は有名な人の言葉や、なんとなくかっこいい言葉をつなぎ合わせただけのものがほとんどです。しかし、外からとってつけたような言葉は果たして、自分の血肉となるものでしょうか。

自己理念を作るために大事なことは、自分の言葉で作ることです。他者のかっこいい言葉ではなく自分の血の通った言葉で作ることが大切です。なぜなら、自分が本当に思っていることこそ、自分のブレない軸になり、共感される言葉になるからです。

なぜ自己理念があるとやりたいことが実現できるのか

なぜ自己理念があるとやりたいことが実現できるようになるのでしょうか。

それはまず第一に、自分のやりたいことが明確になるからです。明確になれば、自分のエネルギーをやりたいことに集中することができます。それによって、自然と成果を高めることができるようになります。

やりたいことを見つける上で大切なことは、そのやりたいことが価値観に基づいているかどうかです。価値観とは、人生経験に根ざしている一人ひとりの土台です。やりたいことが自分の土台にある価値観と結びついているからこそ、ブレることなくやりたいことで圧倒的な成果を上げることができるのです。

もう一つは、自分の考えが他者に共感をもって伝わるようになるからです。これまでは単に「伝えていた」だけかもしれませんが、それが「伝わる」ようになることで理解者や応援者があらわれ、やりたいことを現実に変えていくことができるようになります。

メッセージに一貫性がある方は、それだけで共感を生みます。「言っていることがコロコロ変わるな」という方は、なかなか信頼を集めれないでしょう。自己理念を明確にもつだけで、相手に伝わるようになり、自然と信頼を集められるようになるのです。

自己理念をもつことでどのような変化があるのか

自己理念を持つことで、どのような変化が起きるのでしょうか。

私はこれまで企業理念や組織も含めると、理念づくりに約50例近く携わってきました。

クライアントの方の多くの変化を実際に多く見てきました。例えばある経営者の方は、自己理念を作る前は、仕事をなんでも引き受けてしまうことが悩みでした。頼まれたら断ることができず、仕事ばかりに追われているうちに、自分がやっていきたいことを見失っていました。

しかし数ヶ月かけて自己理念を作っていくうちに、自分がやりたい仕事とそうではない仕事が明確になりました。「自分にとって意味を感じられない仕事は断ることができるようになった」と言います。

多くの方の変化の声としてお聞きするのは「楽になった」という言葉です。自分のことを知り直すことで、自分の強みを知り直し、力を入れなくても自然と成果が上がるようになります。私自身も仕事で悩んでいた34歳の時に、自己理念を作りながら自分の強みを知り直し、同様の変化を実感しました。

自己理念を作ったある方は「世間体にとらわれていた自分から、自然体の自分に変わることができた」とお話しくださいました。自然体の自分になると、自分の内側から変化が起きます。余裕が生まれ、ご自身の人生に大きな変化が訪れるでしょう。

自己理念コーチングとは

自己理念をつくるためには、どうすればいいのでしょう。効果的な方法は言語化を強みとするコーチのセッションを受けることです。他者との対話によって、自分一人では気づけない自分自身に気づき直し、内なる言葉を見つけることができます。

私がご提供している自己理念コーチング(自己理念構築プログラム)では、価値観からミッション、ビジョン、バリューまで一貫して言語化する内容をお届けしています。3ヶ月でご自身のブレない軸ができ、共感される理念を明確に言語化することができます。それによって、ご自身が本当にやりたいことを実現していくことができるようになります。

あなたの想いを伝わる言葉にした自己理念を作り、ご一緒にやりたいことを実現していきましょう!

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自己理念構築プログラム主催【価値が最大限伝わり成果を出す人になる】ミッション言語化セミナーの8月の開催日程を決定いたしました。詳細はこちらのページをご覧ください。

 

 

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安倍大資(あべだいすけ)
自己理念構築コーチ、フルエール代表

日本新聞記者を12年務めた後、プロコーチとして独立。

記者時代にリーダー2000人を取材。リーダーの「伝えたいことが伝わらない悩み」を知る。記者として「伝わる言葉」と向き合ってきた経験をもとに「価値が最大限伝わり、成果を出す人になる」をコンセプトとしたコーチングプログラムを提供している。

早稲田大学卒。京都芸術大学大学院でコーチングを研究中。CPCC(Co-Active®︎コーチ)

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