わかりやすく伝える技術②安易な「が」は控える

最終更新日:2022年7月27日

わかりやすく伝える技術、2つ目のポイントは「『が』を使わない」です。

聞き手を戸惑わせる「が」

次の3例のABの文章を読んでみてください。

A. 「初めて飲みましたが、美味しいですね」
B. 「初めて飲みました。美味しいですね」

A. 「東京からzoomに入っていますが、曇りがちの天気です」
B. 「東京からzoomに入っています。曇りがちの天気です」

A.  「今月の売り上げは先月の2倍になりましたが、どんな集客策が役立ったのでしょう」
B.  「今月の売り上げは先月の2倍になりました。どんな集客策が役立ったのでしょう」

AとB、どちらが読みやすいですか。
Aは2つの文章を「が」で繋げています。
Bは2つの文章を「。」で区切っています。

短い文章なのでそこまで差が出ないかもしれません。しかし、Bの方が頭にすっと入ってきやすいのではないでしょうか。

ここで使われている「が」は、使う必要のない「が」です。「順接の『が』」とも呼ばれ、文法的には間違いとは言えませんが、理解に一瞬戸惑います。なぜなら「が」は原則、逆説に使うからです。分かりやすさを第一に考える新聞表記では順接の「が」は使いません。

「が」は逆説の時だけ

「が」が必要な場合もあります。例えば次の文章を見てみましょう。

A「上司は忙しそうにしていたが、私にはきちんと説明の時間をとってくれた」
B「上司は忙しそうにしていた。私にはきちんと説明の時間をとってくれた」

2つの文章の間にあるこの「が」は、ないとわからなくなっていまいますね。
この「が」は「しかし」と置き換えられます。

「上司は忙しそうにしていた。しかし、私にはきちんと説明の時間をとってくれた」

「が」は話す側や書く側にとっては順接でも逆説でも使えるため便利です。しかし、聞き手や読み手の立場では分かりづらくなってしまいます。

「が」を省くと、伝えたいことを強調できる

「が」を省くと、伝わりやすくなるだけでなく、一文一文が浮き上がって見える効果もあります。有名な「吾輩は猫である」の一文を例にあげましょう。

A. 吾輩は猫であるが、名前はまだ無い。
B. 吾輩は猫である。名前はまだ無い。

どちらが伝わりやすいですか。Bの方が、インパクトのある表現になっているのではないでしょうか。「名前はまだ無い」というメッセージが強調されて伝わってきます。

「この人の話、なんだかわかりづらいな」と思う人の言葉をよく聞いていると、この「が」を連発していることが共通しています。「が」を使わずに、フレーズを「。」で区切ることを意識してみてください。逆節の「が」も、文章で区切って「しかし」「ところが」といった接続詞をきちんと使うこともおすすめです。

「が」を使わずに文章を区切る。これを意識するだけで、あなたの文章力や伝える力がグンとアップします。

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安倍大資(あべだいすけ)
自己理念構築コーチ、フルエール代表

日本新聞記者を12年務めた後、プロコーチとして独立。

記者時代にリーダー2000人を取材。リーダーの「伝えたいことが伝わらない悩み」を知る。記者として「伝わる言葉」と向き合ってきた経験をもとに「価値が最大限伝わり、成果を出す人になる」をコンセプトとしたコーチングプログラムを提供している。

早稲田大学卒。京都芸術大学大学院でコーチングを研究中。CPCC(Co-Active®︎コーチ)

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