わかりやすく伝える技術②安易な「が」は控える

最終更新日:2021年9月28日

わかりやすく伝える技術、2つ目のポイントは「『が』を使わない」です。

聞き手を戸惑わせる「が」

次の3例のABの文章を読んでみてください。

A. 「初めて飲みましたが、美味しいですね」
B. 「初めて飲みました。美味しいですね」

A. 「東京からzoomに入っていますが、曇りがちの天気です」
B. 「東京からzoomに入っています。曇りがちの天気です」

A.  「今月の売り上げは先月の2倍になりましたが、どんな集客策が役立ったのでしょう」
B.  「今月の売り上げは先月の2倍になりました。どんな集客策が役立ったのでしょう」

AとB、どちらが読みやすいですか。
Aは2つの文章を「が」で繋げています。
Bは2つの文章を「。」で区切っています。

短い文章なのでそこまで差が出ないかもしれません。しかし、Bの方が頭にすっと入ってきやすいのではないでしょうか。

ここで使われている「が」は、使う必要のない「が」です。「順接の『が』」とも呼ばれ、文法的には間違いとは言えませんが、理解に一瞬戸惑います。なぜなら「が」は原則、逆説に使うからです。分かりやすさを第一に考える新聞表記では順接の「が」は使いません。

「が」は逆説の時だけ

「が」が必要な場合もあります。例えば次の文章を見てみましょう。

A「上司は忙しそうにしていたが、私にはきちんと説明の時間をとってくれた」
B「上司は忙しそうにしていた。私にはきちんと説明の時間をとってくれた」

2つの文章の間にあるこの「が」は、ないとわからなくなっていまいますね。
この「が」は「しかし」と置き換えられます。

「上司は忙しそうにしていた。しかし、私にはきちんと説明の時間をとってくれた」

「が」は話す側や書く側にとっては順接でも逆説でも使えるため便利です。しかし、聞き手や読み手の立場では分かりづらくなってしまいます。

「が」を省くと、伝えたいことを強調できる

「が」を省くと、伝わりやすくなるだけでなく、一文一文が浮き上がって見える効果もあります。有名な「吾輩は猫である」の一文を例にあげましょう。

A. 吾輩は猫であるが、名前はまだ無い。
B. 吾輩は猫である。名前はまだ無い。

どちらが伝わりやすいですか。Bの方が、インパクトのある表現になっているのではないでしょうか。「名前はまだ無い」というメッセージが強調されて伝わってきます。

「この人の話、なんだかわかりづらいな」と思う人の言葉をよく聞いていると、この「が」を連発していることが共通しています。「が」を使わずに、フレーズを「。」で区切ることを意識してみてください。逆節の「が」も、文章で区切って「しかし」「ところが」といった接続詞をきちんと使うこともおすすめです。

「が」を使わずに文章を区切る。これを意識するだけで、あなたの文章力や伝える力がグンとアップします。

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安倍大資(あべだいすけ)
コーチ・執筆家(元・日本経済新聞記者)
フルエール代表

日経新聞で12年間(2009〜21年)記者として働く。各界のリーダー1000人を取材。300万人の読者に3000本の記事を執筆してきた。

20代前半から約10年間メンタル面の好不調の波に悩む。33歳の時に9ヶ月うつ状態に。人生に行き詰まり、価値観を徹底的に見つめ直すことで長年の悩みを解消した経験をもつ。「人は本当の願いに気づくことで変われる」という実体験からコーチに転身した。

中小経営者向けのクレド構築プログラムを主宰。年30社ペースで、共感される経営理念作りに取り組んでいる。


早稲田大学商学部卒、北九州市出身。

詳細なプロフィール
個人のHP

7月からバンライフで日本一周の旅をしています。仕事をしながらどのような旅をしているのかお伝えします。
10月18日に福島県で講演させていただきました。「300万人から共感される一言づくり〜『ブレない私』になる魔法のカード」をテーマに、マイクレドの作り方をお伝えしました。ライブ配信とあわせて100人以上の方にお集まりいただきました。