伝わる文章を書くために、たった1つの大切なこと

最終更新日:2021年9月28日

私は新聞記者として12年間記事を書いてきました。あわせて3000本ほどの記事を書いてきています。

文章を書くことに、苦手意識をもっていらっしゃる方は少なくないと思います。記者経験をもとに、自分の言葉で書けるようになるヒントをこれから少しずつ発信していこうと思います。記者時代に学んだことを社会にお返ししたいという思いです。

伝わる文章を書くため、第一に大事なひとつのことがあります。

それは「伝えたいことがあること」です。

「伝えたいこと」を考えるとき、例えば泣きわめく赤ちゃんをイメージしてみてください。赤ちゃんはまだ言葉が使えません。しかし、なんらかのことを強烈に伝えたいから泣いてそれを発信しているのです。伝えたいメッセージは「おむつを替えてほしい」や「お腹がすいた」や「痛い」かもしれません。そのメッセージを大人に聞いてほしいという願いが根底にあるからこそ、大人は放っておくことはできないのだと思います。

私たち大人は、赤ちゃんのように、泣きわめいてメッセージを伝えることはほとんどないでしょう。しかし、心の底で何か伝えたいことは、一人一人にあるのではないでしょうか。それはまだ言葉になりきっていない思いかもしれません。それに気づくことが、第一に伝わる言葉を書く何より大切なことだと思います。

コピーライターの梅田悟司さんの「『言葉にできる』は武器になる」は伝わる文章を書きたいと思われている人にとって良書だと思います。コピーライターというと、おしゃれな言葉を並べるカッコいい敏腕クリエイターのようなイメージがありますが、梅田さんはむしろ念仏を日々唱える僧侶のような印象を持ちました。自分の内面を掘り下げて出てくる「内なる言葉」を見つけることが大切だと繰り返し説いているからです。

大切なのは、自分の考えや思いを把握していることである。その内容を伝えるためには、難しい言葉も、耳ざわりのいい言葉も、美しい言葉もいらない。人の心を動かすのは、話している本人の本気度や使命感であり、生きる上で感じてきた気持ちが総動員された、体温のある言葉なのだ。

(「言葉にできる」は武器になる、梅田悟司)

「文章がすぐ上手くなるヒント!」といった本には、文章は何文字以内にせよ、とか改行は多めに入れろとか、テクニックのことばかりが連なっているものが多く見受けられます。そんなテクニックは枝葉末節に過ぎない、全く本質からずれた内容です。

本当に伝わる文章を書きたいのであれば、まずご自身が一体になにを本当は伝えたいのか、しっかりご自身の内側を見つめることが大切です。それがなければ、ネットから知識を断片的に持ってきてくっつけた文章しか書けないでしょう。

これはビジネスの文章でも同じだと思います。ご自身の考えがしっかりとある人のビジネス文は、伝わるものです。この人と仕事がしたいと思ってもらうためには、なぜその人がこの仕事をしているのかがにじみ出ることが、人の心を動かすものだと私は思います。

今回はやや抽象的な内容になりましたが、まずはご自身に「伝えたいことがあること」が伝わる文章を書く上で大切です。ご自身の内側を見つめる機会を一日一回は意識してつくっていきたいですね。

 

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2件のコメント

  1. 高校で教えている者ですが、毎回2、3行で授業のふりかえりを書くことを生徒の課題にしています。考えすぎて何も書けない生徒もいますが、「伝えたい事」=「考えた事」がなければ文章は書けないので、何かを感じたり考えたりできる授業を心がけることの大切さを改めて感じました。自分の言葉で書けるようになるヒントを伝えてくれるこのシリーズの続編を楽しみにしています。

    • すけ

      栗原さん、コメントありがとうございます!生き生きとした文章を書くには、感情が動く体験が大切だと思います。大人も子供も、五感を通じた学びを日常にとりいれていきたいですね。これからも伝わる言葉のヒントとなる記事を発信していきたいと思います。

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安倍大資(あべだいすけ)
コーチ・執筆家(元・日本経済新聞記者)
フルエール代表

日経新聞で12年間(2009〜21年)記者として働く。各界のリーダー1000人を取材。300万人の読者に3000本の記事を執筆してきた。

20代前半から約10年間メンタル面の好不調の波に悩む。33歳の時に9ヶ月うつ状態に。人生に行き詰まり、価値観を徹底的に見つめ直すことで長年の悩みを解消した経験をもつ。「人は本当の願いに気づくことで変われる」という実体験からコーチに転身した。

中小経営者向けのクレド構築プログラムを主宰。年30社ペースで、共感される経営理念作りに取り組んでいる。


早稲田大学商学部卒、北九州市出身。

詳細なプロフィール
個人のHP

7月からバンライフで日本一周の旅をしています。仕事をしながらどのような旅をしているのかお伝えします。
10月18日に福島県で講演させていただきました。「300万人から共感される一言づくり〜『ブレない私』になる魔法のカード」をテーマに、マイクレドの作り方をお伝えしました。ライブ配信とあわせて100人以上の方にお集まりいただきました。