コーチングにできて取材にできないこと

最終更新日:2021年10月8日

自分はコーチングの世界に足を踏み入れてまだ半年ほどだけれど、少しずつコーチングについて自分なりに理解が進んできた。先日気づいたのは、コーチングにできて取材にできないことがあることだ。

それはコーチングは対話の相手に変化を生むことができるということ。その人が普段なにげなく望んでいるけれど、なかなか行動へ移せないことへ一歩を踏み出す後押しができるということだ。

例えば私自身、この3ヶ月間ほどコーチングを受けて次のような変化があった。

キャンプで焚き火を始めた/焚き火コーチングの会を開いた/仕事で名前→会社名の順に発言をした/コーチングを一般公募した

これがどうしてできたのかといえば、自分の思いを言葉にしてコーチに伝えたこと。いつまでにやるということをコーチと約束したからだと思う。ひとりでは頭の中で考えているだけで、実際の行動にはつなげられなかったと思う。

逆に私がコーチをやって、相手の変化を生むことができるようにもなってきた。例えば次のようなものだ。

会社員から農業経営者の道に踏み出した/髪を初めてパーマをかけた/大好きな音楽の記事を初めて書いた/生徒に教えるだけの一方的な授業ではなく、生徒との双方向の対話の時間をもうけた

大きな変化もあれば日常的な変化もある。どれもが本来やりたかったけど、足踏みしていたことであることは共通している。未来に変化をもたらす対話。それがコーチングなのだろう。

こうした変化を生み出すことは、取材では決してできない。取材は基本的に事実を知りそれを伝えることが目的だ。だから必然的に過去のことを尋ねることが中心となる。

ただ、取材にできてコーチングにできないこともある。それは記録することである。コーチングのやりとりを文字に起こそうと思ってやってみたことがある。ところがそれは断片的な単語にはなるけれど、文章にはとてもしずらいことに気づいた。コーチングでの対話は、必ずしも論理的なことではなく、感情であったり、脈略がなかったり、直感だったりする。まだ明確な言葉にできていない思いを探していくことがコーチングなのだからそれは当然なのだろう。

コーチングと取材、それぞれできることとできないことがある。私がやってみたいのは、取材とコーチングを掛け合わせたものだ。コーチングで変化を生み、取材でその変化を記録する。それを「取材コーチング」と呼びたい。そうすることで人が自然体で自分らしく生きていくことを後押していきたい。

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安倍大資(あべだいすけ)
コーチ・執筆家(元・日本経済新聞記者)
フルエール代表

日経新聞で12年間(2009〜21年)記者として働く。各界のリーダー1000人を取材。300万人の読者に3000本の記事を執筆してきた。

20代前半から約10年間メンタル面の好不調の波に悩む。33歳の時に9ヶ月うつ状態に。人生に行き詰まり、価値観を徹底的に見つめ直すことで長年の悩みを解消した経験をもつ。「人は本当の願いに気づくことで変われる」という実体験からコーチに転身した。

中小経営者向けのクレド構築プログラムを主宰。年30社ペースで、共感される経営理念作りに取り組んでいる。


早稲田大学商学部卒、北九州市出身。

詳細なプロフィール
個人のHP

7月からバンライフで日本一周の旅をしています。仕事をしながらどのような旅をしているのかお伝えします。
10月18日に福島県で講演させていただきました。「300万人から共感される一言づくり〜『ブレない私』になる魔法のカード」をテーマに、マイクレドの作り方をお伝えしました。ライブ配信とあわせて100人以上の方にお集まりいただきました。